『YASHA』 *ネタばれあり
実はこれも途中で放ったらかしにしちゃってたもの
再度読み始めると面白くて、大人買いして一気に読んじゃった
こういう話は好き。
『ガタカ』にもはまった。
科学を介する人間の欲と理性のぎりぎりの攻めぎあいって言えばいいかな?
雨宮協一郎はクレイジーだと思うし大嫌いだけど、人間の欲望が肥大化していけば、ああいう人は出てくると思うし、自分の中に、全くそんな要素はないと言い切る自信はない。静や凛の苦しみだって、マジョリティとマイノリティが入れ替わるとまた変化する類のものだと思う。
でもそこまで行き着くまでに、どれだけの苦しみ、悲しみを生むのかと考えると、やっぱり自分は協一郎にはならないなと思って安心する。
そう・・・静や凛の苦しみと書いたけど、これ、どっちが幸せかって、微妙だと思うんだ。
生き残った静。
権力と富を握り、理解者もいるけど、重い十字架を背負っている。
愛に恵まれずに育って、静の身代わりで死んだ凛。
可哀相だと思うけど、最後はそれなりに幸せだったんじゃないかな。
凛の言葉にもあったように、憧れて憧れて、憧れが過ぎて憎んだ静として死ねたこと、それから死ぬ前に、尊という大事な存在に気付けたことが。
尊が言うように、二人は友達ではなかったんだろうけど、それは利害で結び付いているわけじゃなくて、もっと深く結び付いていたんだと思うんだ
凛が「おれには頼れる人間がおまえしかいない・・・」ってなことを言ってたけど、それは裏を返せば尊には頼れるってこと。あんな状況においてもね。
そしてそれは尊も一緒。
舞台は日本で、自然神道では魂は消えてなくなるわけじゃないから、比佐子ママ、それに何年か後には静や三上パパにも会えるだろうし。
そういう意味で、この結末は、悲しいんだけどなんとなく救われる感じ。
いや、めちゃくちゃ泣いたけどさf^_^;
なんでだか、涙が止まらなかった。
何に対する涙なんだろう・・・上手く説明できない。
ってか、自分でもわからない。
そのうち、また読んでみよう