恋の話
ずっと書こうと思っていたことがある。
私の「恋愛」の話。
自分のために、一度整理しなきゃって。
日記でもよかったんだけど、それだと結局ぐだぐだになりそうだから、一目に曝されるブログ記事という形で。
私には、もうずっと彼氏がいない。
「いない歴」で言えば、すでに二桁に乗った。
もちろんその間まったく何もなかったわけじゃない。イイ相手と出会い、そういう関係になったこともある。
でも、付き合うことは出来なかった。
自分自身に関して変に潔癖な部分がある私には、明らかに別の人を想っていることを自覚しながら、他の人と付き合うことは出来なかった。
その相手に出会ったのは、大学に入ってすぐ。
彼のことを、「元彼」と言うこともあるけれど、本当はそうじゃない。
彼との会話、彼がしてくれたこと、そのことに関して嘘をついたことはないけれど、結局想いを伝えることができなかったから。
その彼。
見た目もタイプではあったんだけど、それを超えてぐっとくるものがあった。
というのも私はもともと人付き合いが苦手な上、当時は家庭の問題と高校時代の経験で対人恐怖状態にあったんだけど、彼に対してだけは、何の不安も感じずに、自分のすべてを見せることができたんだ。
それを私は恋だと思った。
でも、本当は、それとはまた違う感情だったのかもしれない。
彼とは同郷。
ひとつにはそれがあると思う。
逃げ出してきた故郷だけど、好きで好きでたまらない場所でもあった。
その故郷をよく知っている彼を、愛しく思ったんだと思う。
もうひとつは、彼も同じような傷を持っていたから。
詳しくは聞かなかったけど、彼も「高校にはいい思い出がない」と。
それに、小学校時代にもいろいろあったと、耳に挟んだ。
私は臆病だから、相手がわかってくれると確信できない限り、自分の弱さを見せることはできない。
その意味で、彼は私が素直になれる相手だった。
でもね、きっとそれだけじゃない。
もっと他に、彼じゃないとダメな理由があったんだと思う。
それが何なのかは、いまだにわからないけれど。
ただね、彼の言葉で今でもはっきり憶えているものがある。
「人を信じられない」って言った私に、「じゃあ俺が心理学を勉強して、オマエの病気を治してやる。あ、でも心理学って難しいねんな。」って。
彼にとっては、話の流れで口を突いて出た、何気ない言葉だったんだと思う。
けど、私にとっては、ものすごく大きな一言だった。
たとえその場限りであっても、陰の部分も含めて私を受け止めてくれたのが、嬉しかった。
飄々としていても、いざという時には守ってくれる強い人だなって。
彼が私にとってものすごく大事な存在になり、それだけ失うのが怖い存在になった。
そして、失うことを恐れるがあまり、私は自ら手を離した。
振り返ると、後悔ばかり。
私がもう少し大人であれば・・・
もう少し、心に余裕があれば・・・
せめて、一言でも心を言葉にできていれば・・・
いまだに彼を忘れられない私に、「出会わなかった方がよかったのかもね」という人がいる。
でも、それは絶対に違う。
彼に出会っていなければ、私はあのとき対人恐怖を克服できていなくて、大学生活を楽しむ余裕がなかっただろうから。
それに、彼との想い出がなければ、去年の心身ともに辛い状態を、乗り切れていなかっただろうから。
そう、彼との想い出さえあれば、今後もそれなりに元気に生きていけるとは思う。
たださ…、私、自分の血を引く子どもが欲しいんだ。
こればっかりは、生身の人間相手でないと、どうにもならない。
でも、他の人を愛する自信がない。
それが今の私の大きな悩み。
あと、もう一度友達になりたいだなんて贅沢は言わないから、彼と会って、一言話したい。
好きだったんだよって。
それから、困ってることがあるなら、いつでも相談に乗るからって。
あの時あんたがしてくれたように、私もあんたを助けたいんだって。